2010年7月20日(火)15:00-17:00
「青年期ひきこもりケースの理解と援助」
〔山梨県立精神保健福祉センター 所長〕近藤 直司 氏
7月20日(金)、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、メンタルヘルス基礎セミナーに引き続いて、コンパスセミナーが開催されました。本セミナーでは、「青年期ひきこもりケースの理解と援助」と題して、山梨県立精神保健福祉センター所長の近藤直司氏からお話をうかがいました。
はじめに、「生物的要因」、「心理的要因」、「社会的要因」という3つの視点からひきこもりの背景をみることが大事だ、というお話があり、「生物的な要因」が明らかになることは、「社会的な要因」や「心理的な要因」を否定することでは決してない、という点が強調されました。一ケースは、つねに生物的、心理的、社会的な条件が複雑に絡み合って形成されている、という見方が大切だとのことです。
支援についても、薬物療法、心理的支援、社会的支援のいずれかでよい、ということではなく、3つの支援が必要に応じて適切に行なわれることが必要であるとの見方が示されました。「薬物療法が必要な人を、心理・社会的支援だけで抱えてしまうとまずいし、しっかりした心理・社会的支援が必要な人が薬漬けになっているのもまずいのです。」と近藤氏は言います。近藤氏の最新の研究では、薬物療法が必要だと判断されたのは、ひきこもりケース全体の3分の1だったとのことです。

また、「一般就労がゴールになる人もいるし、障害者雇用の制度を使って事業所で働く人もいる」と指摘され、「いろんなレベルの社会参加」を考えることが大切だということも、お話がありました。発達障害の人がひきこもっているケースもあり、一般就労だけを目標とすることは本人を追い詰めることになるため、精神保健福祉の専門家がどこかの段階でアセスメントを行なう必要がある、とのことです。
今回の講演では、ひきこもり問題をどうとらえたらよいのか、という基本的な見方から丁寧に説明していただきました。3つの視点からの支援をバランス考えていくことが大切である、という見方は、支援方針を固定せずに幅広くとらえなおすためにも、大変重要なことだと感じられました。当日は、さまざまな支援機関の方から、それぞれの立場で困っている点などについて質問がされ、近藤氏からは、ひとつひとつ具体的なアドバイスをいただくことができました。
2010年7月20日(火)13:00-14:50
メンタルヘルス基礎セミナー「いま企業では何が起こっているのか」
~企業の職場の現状とメンタルヘルス悪化を防ぐポイント~」
〔日本生産性本部 メンタル・ヘルス推進センター 課長〕飯田 進一郎



7月20日(金)、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、コンパスセミナーが開催されました。今回のセミナーは、メンタルヘルス基礎セミナー「いま企業では何が起こっているのか~企業の職場の現状とメンタルヘルス悪化を防ぐポイント~」と題して、職場でのメンタルヘルスの問題を中心に、日本生産性本部メンタル・ヘルス推進センターの飯田 進一郎さんに講演いただきました。
これまで職場でのメンタルヘルスがどのように問題にされてきたのか、その歴史をたどりながら、現在の職場でつらい状況に置かれがちなのは、仕事量も多く、プレッシャーも高い30代であること、派遣社員で働く人のメンタルヘルスも問題になってきていること、などをお話いただきました。
「安全配慮義務」という言葉が紹介され、労災認定の裁判のケースなども交えながら、職場のメンタルヘルスに配慮することは、現場の管理監督者の義務であると考えられるようになってきていることが紹介されました。
2年前にできた労働契約法という新しい法律では、「使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働ができるよう、必要な配慮をするものとする」という文章があり、メンタルヘルスへの配慮は、「身体等」という部分に含まれるとのことです。
しかし、メンタルヘルスへの配慮とは、基本的には、「働いている人を大事にする」という姿勢のことだとのお話でした。また、お手洗いがきれいかどうかで、その会社の姿勢がわかる、といったこぼれ話もお話いただきました。
最近の傾向や最新の法律をわかりやすく解説していただき、若者の働く環境について考える、またとない機会となりました。また、NPO法人などの民間の支援団体や、そのほかの支援組織にとっても、スタッフの働く環境について、もう一度見直してみるための、大切な視点を提供していただきました。





















